profile
1976年国立音楽大学打楽器科卒。岡田知之氏に師事。邦楽鳴物を藤舎華鳳氏に師事。在学中よりハンガリー交饗楽団、NHK交饗楽団との演奏やレコーディング等で様々な経験を積む。また、「岡田知之打楽器合奏団」結成に参加。演奏のほか多くの作編曲を提供する。同団では1978、1980年度文化庁芸術祭優秀賞、1980年度、レコードアカデミー賞、音楽の友賞を受賞。1985年「日本音楽集団」正団員となり、ライプツイッヒゲバントハウス管弦楽団、ヘルシンキフィルと共演する。同団では1991年度モービル音楽賞を受賞。その他の活動では外務省派遣等で海外25ケ国以上での公演やソロパーカッショニストとして東京交饗楽団、新生日本交饗楽団との共演、国立劇場依頼による出演、指導、作曲、林英哲との共演やレコーディングアレンジ、作曲の提供等、洋楽と邦楽を本格的にこなせる音楽家として活躍中。また、1994年より、自己のグループによるコンサート「細谷一郎、松原賢スーパープロジェクト 環」を行っている。
どんなに音感がよく、リズム感がよくても、その場で初めて聴く音楽のすべてを分析するのはけっこうたいへんです。そうした場合、「ああこの手ね」みたいなノリで処理できるようになると精神的にも楽になります。そのためには、常套句のようなものをたくさん覚えておくと効果的だと思います。私の場合は、オープンリールテープにいろいろなフレーズを入れて、ひたすらヒアリングする勉強をけっこうやりましたね。たとえばワーグナーのランサムとか、ラベルの Assez lent とか、その部分のメロディーで思い出せるようにしておくと忘れません。少しずつ自分の引き出しのストックを増やす努力をしておくと、後々それが貴重な財産になると思います。
いろんな出会いがあったのですが、その中で本当の出会いと呼べるのは、オペラとの出会いかもしれません。私自身が打楽器奏者なので、それ以前は打楽器が大活躍するような複雑な現代物の方が、音楽的に高度であり、最高であると勘違いしていました。しかし、「どうだ凄いだろう」で人を脅かすことはできても、それと「感動させる」ことは別物であることを、オペラとの出会いによって初めて気づかされました。どんな音楽や楽器、編成でも、「よかった」と言ってもらえるのは、「歌」あるいは「歌心」なのだと思います。
私は現在48歳で、いまだに音楽で生活していますが、やはり18〜22歳ぐらいまでにいかに音楽家としての財産をためこむか、その時の蓄積が後の音楽活動のパワーになると実感しています。大学の4年間なんてあっという間に終わってしまいます。早い時期に、自分の本当に好きなこと、やりたいことを探し当て、その分野でできるだけいい体験を積むことが重要ですね。音楽というものは基本的に人に何かを伝え、与えることだと思います。現在のクラシック界に蔓延する発表会的自己満足だけではダメだと思いますね。
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